脊髄刺激療法とMRI

MRIの必要性

DBSシステムを体内に植込んでいる患者さんの約70%は、システム植込み後10年間のうちにMRI検査を必要とすると推測されています1。また、従来のDBSシステムにおけるMRI検査の制約は脳深部刺激療法の欠点の1つに挙げられることもありました2

70%

MRIによるリスク

これまで、DBSシステムを体内に植込んでいる患者さんは、全身MRI検査を行うことができませんでした。MRIが発する強力な磁場によって、体内に植え込まれた機器が影響を受け、発熱による組織損傷や、機器の破損を引き起こす恐れがあったためです。

MRIによる発熱(イメージ図)
MRIによる発熱(イメージ図)

条件付き全身MRI対応神経刺激システム

メドトロニックは、MRIのリスクを軽減するテクノロジーを開発し、その後、国際規格の策定や検証技術の確立を待って厳密な安全性テストを行うことにより、MRIの強力な磁場による影響が軽減されることを確認しました。日本では、2012年7月以降に植え込まれたDBSシステムは、条件付全身MRI撮像に適合している可能性があります。

条件付き全身MRI対応DBSシステムには、次のような特長があります。

  • リード線の導線部が、発熱を抑える構造となっています。
  • DBSシステムに使用する磁性体の量を最小限にしています。
  • 神経刺激装置に、装置の破損を防ぐためのフィルターを搭載しています。

SureScan®テクノロジーを搭載した 日本初の全身MRI検査が可能な神経刺激装置
厳密な安全性テストの結果
世界初の全身MRI検査が可能となった脳深部神経刺激装置


MRI検査を受けるための条件

 


出 典

  1. Falowski S, Safriel Y, Ryan MP, Hargens L. The Rate of Magnetic Resonance Imaging in Patients with Deep Brain Stimulation. Stereotact Funct Neurosurg 2016;94:147-153
  2. パーキンソン病治療ガイドライン2011 (日本神経学会)

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