MRIの磁場環境
MRI装置は、生体内部を画像化するために、3つの異なる磁場を使用します。
静磁場(Static Field)
- 時間的にその強度や方向が変化しない、常に一定した磁場です。
- 静磁場は通常B0で表し、単位はテスラ(T)です。
傾斜磁場(Gradient Field)
- 3次元空間に直線的に変化する磁場です。撮像時のみ発生し、位置に関する情報を提供します。
- 最大傾斜磁場強度(T/m)あるいはスルーレート(T/m/s)で表されます。
RF磁場(RF Field)
- RF波が印加されている空間です。撮像時のみ発生します。
- 強度はB1+rmsで、生体への影響はSARで表されます。
- B1+rms(B1+ root mean square):
MRI装置が発生させるRF磁場強度の実効値のことで、単位は(マイクロ)テスラ((μ)T)です。 - SAR(Specific Absorption Rate):
体組織の単位重量当たりの吸収エネルギー量、単位はW/kgです。