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用語集

ペースメーカ用語集

ア行

R波同期型心室ペーシング〔R-wave triggered ventricular pacing〕
VVT参照。

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R波抑制型心室ペーシング〔R-wave inhibited ventricular pacing〕
VVI参照。

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安全域〔safety margin〕
刺激閾値とペースメーカ出力の差。生理的な変化により、心筋が捕捉されなくなることを予防する目的で設けられている。通常、出力は閾値の2倍以上にする。

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アンダーセンシング〔undersensing〕
人工ペースメーカの感知不全の1。自己心拍が出ているにもかかわらず、人工ペースメーカはこれを見逃し、あたかも自己心拍が出なかったのごとくペーシング・スパイクをだす場合。

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一時的ペーシング〔temporary pacing〕
一時的な除脈や永久的ペースメーカが植え込まれるまでの間の緊急処置として、体外から行われる一時的なペーシング。

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一時的ペースメーカ〔temporary pacemaker〕
一時的ペーシングの目的に用いられるペースメーカ。ジェネレーターは体外にあり、外部からレート、出力、感度等を調節できる。体外式ペースメーカともいう。

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一時的リード〔temporary lead〕
一時的ペーシングの目的で用いられるリード。通常、いずれ抜去することを前提に作られているので、固定装置を有しない。

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1度房室ブロック〔1st degree A-V block〕
心房からの刺激が心室に伝導されるのに異常に長く時間がかかるが、必ず伝わるもの。

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一方向性ブロック〔unidirectional block〕
刺激伝導障害の1つで、順行性あるいは逆行性いずれかの刺激伝導のみがブロックされるもの。これはしばしば、リエントリー性不整脈の原因となる。

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移動〔dislodgement or displacement〕
心内膜リ―ドの位置の変化。電極が最初に置かれた位置から全く別の場所に動いてしまうこと。X線撮影により確認される。

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陰極〔cathode〕
電気系では陰極は電子の放出される極である。ペースメーカでは通常、陰極はリ―ドの遠位端にある。

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インパルス持続時間〔impulse duration〕
ジェネレーターから出されるインパルス(刺激)の持続時間。一般にジェネレーターのインパルス持続時間は短く、0.5~1.0m秒である。

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植込み術〔implantation〕
人工ペースメーカを生体内に植え込む手術。通常、鎖骨下にポケットを作り、橈側皮静脈、あるいは鎖骨下静脈からリードを右心房、あるいは右心室に挿入する。

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ウェンデスキー効果〔Wendesky effect〕
刺激出力を低い方から高い方に増加させていくよりも、高い方から低い方へ減少させてきたときの方が刺激閾値が低くなる心筋の特性。

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永久的人工ペースメーカ〔permanent pacemaker〕
長期間使用するために体内に植え込んで使用する人工ペースメーカ。

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永久的リード〔permanent lead〕
長期間の使用に耐えるよう作られた心内膜、あるいは心外膜用のペーシング・リード。固定装置を有する。

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房室遅延〔atrio-ventricular delay or A-V delay〕
心房刺激(心房興奮)から心室刺激までの時間差。房室伝導時間に相当する。

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A-H時間〔A-H interval〕
心内心電図で記録される電位で、心房興奮からHis束の興奮までに要する時間。正常値は50~120m秒である。

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H-V時間〔H-V interval〕
心内心電図で、ヒス束から心室までの刺激伝導時間。H-V時間はヒス束電位の始まりから、体表面心電図の心室波(QRS群)の始まりまでとして測定される。正常値は35~45m秒である。

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オーバーセンシング〔oversensing〕
人工ペースメーカの感知不全の1。人工ペースメーカが自己心拍以外の雑音(noise)、たとえば筋電位や自己心拍のT波、体外からの雑音を自己のQRS群と誤認すること。誤認により、人工ペースメーカはプログラムされた様式にしたがって、抑制、あるいは同期する。

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オーバドライブ・サプレッション〔overdrive suppression〕
頻拍時のレートより多いレートでペーシングを行い、頻拍発作を止める方法。薬物治療抵抗性頻拍症や、心室性頻拍症を緊急に抑制する目的で使われる。

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横隔膜刺激〔diaphragmatic stimulation〕
人工ペ―スメーカーの刺激が横隔膜、あるいは横隔神経を刺激し、律動的に横隔膜が収縮するもの。横隔膜刺激は心内膜ペーシング・リードが右心室を貫通したとき、人工ペースメーカからの出力が大きいときに起こることが多い。横隔神経刺激は、心房リードがこの神経の近くにあるときに起こりやすい。

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温度感知〔temperature sensing〕
体温測定装置で体温を測定すること。レートレスポンシブ・ペースメーカのレートをコントロールする目的で使われる。

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カ行

化学的感知〔chemical sensing〕
測定器を使って 血液の酸素飽和度やpHなどの指標を測定すること。 通常、化学的感知によって測定された生物学的指標の変化は、 レートレスポンシブ・ペースメーカのペーシング・レートのコントロールに用いられる。

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完全房室ブロック〔complete atrio-ventricular block〕
心房の刺激が全く心室に伝わらなくなった状態。3度房室ブロックと同義語。

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感度〔sensitivity〕
自己心内波を感知し得るレベル.

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感知〔sensing〕
心臓の自己心拍が出たとき、これを感知すること。

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感知閾値〔sensing threshold〕
人工ペースメーカの感知回路により、感知されるに必要な心房、あるいは心室の最小電位。あるいは電流。

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感応期〔alert period〕
人工ペースメーカが自己心拍を感知し、抑制あるいは同期によって反応し得るペーシングサイクルの時期。ペーシングサイクルの不応期の終了時に開始され、次に感知された自己心拍、あるいはペーシング・スパイクで終了する。この間自己のP波もしくはQRS群を感知し、決められたモードにしたがって人工ペースメーカは作動する。通常m秒で表わす。

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機械的感知〔mechanical sensing〕
体動やジェネレーター本体に加わる圧力により生体の活動の程度を感知する方法。レートレスポンシブ・ペースメーカにおいて、自動的にペーシング・レートを変化させる際の指標に用いられる。

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急性閾値〔acute threshold〕
人工ペースメーカおよびリードの植込みにより、傷害による炎症性変化、浮腫等による電極の包み込み等の肉体の初期の反応により変化した閾値。通常、慢性閾値より高い値を示す。

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競合〔competition〕
ペーシングにおいて、自己心拍と同時に出る。あるいは自己心拍の直後に出る。非同期性のペーシング・スパイクのこと。 AOO,VOO,DOO,DVIではそのモードの特徴として、あるいは磁石の使用によって起こる。

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経静脈ペーシング〔transvenous pacing〕
静脈を介しリードを心臓にまで挿入し、行うペーシング様式。

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経静脈リード〔transvenous lead〕
経静脈ペーシングのために用いられるリード。

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原子力人工ペースメーカ〔nuclear-powerpacemaker〕
プルトニウム238やプロメチウム147など、原子力を電池に使用した極めて寿命の長い人工ペースメーカ。安全面から、現在では国内使用はされていない。

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抗頻拍人工ペースメーカ〔antitachycardiapacemaker〕
頻拍を検出し、これを停止させるため、プログラム化された電気刺激を発生させる人工ペースメーカ。

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固定レート型人工ペースメーカ〔fixed rate type〕
自己心拍の有無に関係なく、決められたレートでペーシングし続ける型の人工ペースメーカ。現在ではめったに使われることはない。

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サ行

再分極〔repolarization〕
心筋細胞が脱分極した後、もとの静止膜電位に回復すること。心室の再分極は心電図上T波として表われるが、心房の再分極は心電図上QRS群と重なっている。

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雑音〔noise〕
心臓以外の組織、あるいは外部からの信号など、ノイズは感知経路を通り、抑制や同期を作動させ、人工ペースメーカの正常な作動を障害する。電気的雑音の原因としては、筋電位、交流障害、電磁波、無線信号などがある。

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ジェネレーター〔generator〕
人工ペースメーカのうち、電子回路と電池を含む部分。体液の侵入、内容物の溶出を防ぐため密閉されている。容器としては、最近ではチタニウム合金が多く使われている。

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磁気干渉〔magnetic interference〕
磁気によって、人工ペースメーカの正常な作動が障害されること。

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刺激閾値〔threshold〕
心筋が刺激に反応する最低の電流または電圧。

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自己放電〔self-discharge〕
外部回路にエネルギーを放出することなく、電池の電極間で化学反応が生じ、電気容量が減少すること。自己放電の存在により、理論的な電池容量よりも実際使用できる電池容量は小さい。

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室房伝導〔ventriculo-atrial conduction〕
心室筋から心房筋へ刺激が逆行性に伝導すること。

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自動植込み型除細動器〔automatic implantable cardioverter-defibrillator,AICD〕
心室細動や心室性頻拍症など、致死的不整脈を停止させるために自動的にこれらを検出し、ショックを与える装置。
通常5~30ジュールのエネルギーが放出される。

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自動抗頻拍ペーシング〔automatic antitachycardia pacing〕
頻拍発作を自動的に検出し、これを停止させる植込み型ペースメーカ。

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自動能〔automaticity〕
個々の心筋細胞が自発的に脱分極する固有の性質。最も速い自動能を持つ洞結節が、通常ペースメーカとして働いている。

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出力〔output〕
回路やジェネレーターから出される電流、電圧、エネルギーのこと。ペーシングでは人工ペースメーカから出される電気パルスの大きさ。

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受攻期〔vulnerable period〕
生理的相対的不応期の一部で、電気的に特に不安定な時期で、ここでは弱い刺激であっても頻拍症や細動を起こすことがある。
心室の受抗期は心電図上T波の頂上付近に当たる。

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出力回路〔output circuit〕
人工ペースメーカから心臓に、適当な電気刺激が送られるための、ペーシング回路の一部。

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出力電圧〔output voltage〕
通電時の電圧値で、通常Vで表わす。

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出力電流〔output current〕
通電時の電流値。通常mAで表わす。

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受動的固定〔passive fixation〕
リードの遠位端にある固定装置によって、リードで心筋を穿孔することなく、肉柱に電極を固定すること。先端の形状にはフランジ型、フィン型、タイン型などがある。

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受動的固定リード〔passive fixation lead〕
受動的固定装置を持ち、これにより固定される心内膜リ-ド。

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除細動閾値〔defibrillation threshold〕
心室細動を停止させるのに必要な最小の電気刺激。

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除脈頻脈症候群 〔bradycardia-tachycardia syn-drome〕
洞機能不全症候群の内でルーペンシュタインの分類の3型に当たる。心房粗動、心房細動、上室性頻拍症のような頻拍と、洞停止、洞房ブロック、洞性除脈などの除脈が交互に出現するもの。薬物による治療は極めて困難で、原則的に、人工ペースメーカ植込みの適応になる。

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心外膜ねじ込み式リード〔epicardial screw-in lead〕
心外膜リードの一種で、コルク栓抜き様のスクリューを心筋にねじ込むタイプのもの。

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心外膜リード〔epicardial lead〕
心筋の刺激と自己心拍の感知のために付けられた、縫着あるいは他の方法で心外膜に付けられるリード。

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シングル・チャンバー・ペーシング〔single chamber pacing〕
単腔ペーシングのこと。

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人工産物〔artifact〕
体表面心電図や心内心電図で、心臓以外の外部から混入する信号。人工産物はペースメーカの出力パルス、電磁干渉、筋電位によって起こることもある。

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心室感応期〔ventricular alert period〕
心室の不応期が終わった時点から、次の自己波まで、あるいはペーシングによる心室脱分極までの期間。
この間、人工ペースメーカは感知することができ、感知された情報に対してあらかじめ決められた様式に従って反応する。

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心室デマンド型ペーシング・モード〔ven-tricular demand pacing mode〕
デマンド型心室  ペーシング(VVIorVVT)

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心室トリガー型ペーシング様式 〔ventricular trig-gered pacing mode〕
自己QRS群に同期して、心室内に出力パルスを放出するデマンド・ペーシング・モードの1つ(VVT)。 ノイズを自己のQRS群と誤認した場合、心室性頻拍症や心室細動を起こす可能性があること、電力をむだに使うことから最近ではこのモードの人工ペースメーカは使われず、VVIが主に使われている.

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心室非同期型ペーシング様式〔ventricular asyn-chronous pacing mode〕
自己の心室活動のあるなしにかかわらず、決められたレートでペーシングし続けるペーシング・モード(VOO)。 心室固定レ-ト型とも呼ばれる。

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心室ペーシング〔ventricular pacing〕
リードを心室内に入れ、心室内でペーシングを行うこと。

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心室捕捉〔ventricular capture〕
ペースメーカ・スパイクにより、心室筋が脱分極すること。心電図上、ペースメーカ・スパイクに続く幅の広いQRS群と逆転したT波により確認できる。

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心室リード〔ventricular lead〕
心室ペーシングに使われる心室用リード。

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心室抑制型心室ペーシング〔ventricular-inhibited-ventricular pacing〕
自己心拍が出現したとき、人工ペースメーカからの出力が抑制される心室ペーシング(VVI)。心室デマンド型の1形式。

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進出ブロック〔exit block〕
刺激がブロックされて外部へ伝わらない状態。ペーシングでは、スパイクが出ているにもかかわらず、心房筋または心室筋が捕捉されない状態をいう。

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心内膜ねじ込み式リード〔endocardial screw-inlead〕
先端のコルク栓抜き様スクリューで心筋に能動的に食い込み、固定するよう設計されているリード。静脈内ではスクリューは先端部に収納されており、静脈を傷つけることはない。

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心内膜ペーシング〔endocardial pacing〕
経静脈的に挿入された心内膜リードにより行われる心臓ペーシング。経静脈的ペーシングと同義語として使われる。

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心内膜リード〔endocardial lead〕
鎖骨下静脈や頸静脈から挿入され、心内膜に固定されるペーシング・リード。

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心拍出量〔cardiac output〕
1分間に心臓が拍出する血液量。心機能の1つの指標として用いられる。心拍出量=1回拍出量×心拍数の関係が成り立つ。通常安静時は、5~8l/分である。

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心ブロック〔heart block〕
心臓の刺激伝導系の一部で電気刺激の伝導が途絶すること。

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心房キック〔atrial kick〕
心房・心室同期が損われていないとき、心拍出量における心房収縮の果たす役割。正常人の安静時には、全拍出量の10~20%に過ぎないが、心室機能の低下した症例や、正常人でも運動時には、40%にまで達するといわれている。

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心房同期心室ペーシング〔atrial-synchronized ventricular pacing〕
自己の心房収縮(P波)に同期して、心室をペーシングするもの。心房キックが得られ、心臓の機能をより効率的に引き出すことができる。

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心房 ・ 心室順次ペーシング〔atrio-ventricular se-quential pacing〕
心房をペーシングして、一定時間後に心室をペーシングする2腔ペーシング。感知機能は心室にのみあり、自己の心室収縮が出現すれば、ペースメーカは抑制される。DVIモードとも呼ばれる。

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心房同期心室抑制ペーシング 〔atrial-syn-chronized ventricular-inhibited pacing〕
ペーシングは心室でのみ行われ、感知は心房と心室の両方で行われる。
すなわち、自己のP波を感知して、心室をペーシングし、もし自己の心室収縮があれば心室ペーシングは抑制される(VDD)。

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心房用Jリード〔atrial J lead〕
心房ペーシングの目的で右心房に挿入されるJ型をしたリード。リードの遠位端がJ型をしており、右心耳に確実に引っ掛けることができる。

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心房抑制心房ペーシング〔P-wave inhibited atrial- pacing〕
AAI。

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スタイレット〔stylet〕
リードの挿入を容易にするためにリード内に入れ、硬くしたりカーブをうけたりする鋼線。

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ストークス・アダムス症候群〔Stokes-Adams syndrome〕
一般に除脈に起因する脳虚血によって生じる症状。立ちくらみ、目まい、痙攣発作など。

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生体適性〔biocompatibility〕
物質と生体の適合性。生体適性の問題から、人工ペースメーカでは組織にほとんど、あるいは全く拒絶反応や炎症あるいは発癌作用のないチタニウム、シリコン、ポリウレタン、プラチナ・イリジウム合金等が使われる。

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生理的ペーシング〔physiological pacing〕
正常の房室伝導に似たペーシングが行える2腔ペーシングをいう。現在の生理的ペーシングは、心房・心室同期を得て、心房収縮の心拍出量に対する関与を最大限生かし、心室ペーシングに比較して、心拍出量を10~30%増加させている。VDD, DVI, DDDなどがこれに含まれるが、AAIやAATも生理的ペーシングとみなし得る。

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絶縁体〔insulation〕
高い電気抵抗値を持ち、電流の流れを遮る物質。ペースメーカではリードを絶縁するために用いられる鞘を意味する。ポリウレタン、シリコン、あるいは両者を組み合わせて用いる場合が多い。

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絶縁体亀裂〔insulation fracture〕
ペーシング・リードの絶縁体の亀裂。絶縁体亀裂が生じると、周囲の組織に電気が漏れるため、ペーシング・システム全体のインピーダンスが低下する。

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絶対不応期〔absolute refractory period〕
いかなる電気刺激によっても新たな活動電位が発生し得ない期間。

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設定レート〔rate〕
1分間の電気刺激回数一設定頻度。

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センシング不全〔sensing failure〕
自己の心拍が出現してもこれを感知(センス)せず、ペーシング・スパイクを出してしまったり、心拍以外のものを感知して自己の心拍と誤認すること。それぞれ、アンダーセンシング、オーバーセンシングと呼んでいる。感知不全と訳される。

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総機能回復時間〔total recovery time〕
心房頻数ペーシングを突如中断した後、もともとの調律と心拍数に戻るまでの時間。正常値は5秒未満である。

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双極リード〔bipolar lead〕
ジェネレーター外部に2つの電極を有するリード。心筋を刺激する陰極はリードの遠位端にあり、陽極はこれより2~3㎝近位部のリング部である。

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タ行

脱分極〔depolarization〕
静止時、心筋細胞内はマイナスに、細胞外はプラスに分極している。この分極状態が刺激によって壊れ、細胞外より、細胞内がプラスになること。これが活動電位として記録される。

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単極リード〔unipolar lead〕
電極が1つしかないリード。リードの遠位端がマイナス極、ジェネレーター表面がプラス極として働く。

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単腔ペーシング〔single chamber pacing〕
心房、または心室のどちらか一方の腔にリードを挿入して、心房、または心室の一方をペーシングする方法。

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チタン〔titanium〕
金属の一種。耐腐食性で生体適合性があるため、ペースメーカのケースに使われている。

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デマンドペーシング〔demand pacing〕
自己心拍が感知されると、ペーシングされないペーシング様式。自己波が人工ペースメーカの感応期内に感知されなければ、人工ペースメーカからパルスが出され、ペーシングが行われる。

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テレメトリー機構〔telemetry system〕
ある電気機器から他の機器にコード化された信号を伝達することをいう。ペースメーカの分野では、すでに人工ペースメーカに入力されているパラメーターを外部装置で読み取ることをいう。テレメトリーの情報としては、ペースメーカに入力されているプログラム、電池の状態、リード抵抗、人工ペースメーカのモデル、ペーシングおよびセンシングされた頻度等である。

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電気干渉〔electrical interference〕
体組織を流れる電流で、人工ペースメーカの正常な作動が障害されること。自己心拍の周波数に似た周波数を有する電波は感知回路で誤って感知され、人工ペースメーカは抑制される。

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電磁干渉〔electromagnetic interference〕
周囲の電磁活動により、正常な人工ペースメーカの作動が障害されること。電磁干渉の発生源には、ガソリンエンジンの点火システム、レーダー発信機、電磁石、消磁器、電気溶接器、高圧電線、電気焼灼などが含まれる。

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電磁障害〔electromagnetic interference 〕
→電磁干渉

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電池交換時期〔electie replacement time,ERT〕
植え込まれた人工ペースメーカの電池容量の枯渇に近づき、ジェネレーターの交換を必要とする時期。通常、マグネット・レートで知ることができ、これを第一次交換指標としている。

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電池交換指示信号 〔elective replacement in-dicator,ERI〕
ペーシング・レートやモードの変化。マグネット・レートの変化、あるいは刺激持続時間の変化などによって、人工ペースメーカの電池が交換時期にきたことを示す信号のこと。

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伝導〔conduction〕
1つの物体から他の物体へのエネルギーの通過により、音、熱、電気などを伝達すること。心臓においては、心筋間の脱分極波の活動的伝導をいう。

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洞機能不全症候群〔sick sinus syndrome,SSS〕
本来のペースメーカである洞機能の異常により起こる症候の総称。ルーベンシュクインによって3つの型にわけられている。

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洞結節機能回復時間〔sinus node recovery time〕
心房頻回ペーシングを突然停止した後、初めて洞結節が電気的興奮を起こすに要する時間。最後のペーシング・スパイクからペーシング後、初めて出るP波の立ち上がりまでの時間を測定する。

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同軸リード〔coaxial lead〕
螺旋状に巻いた1本のリードの上を絶縁して、もう1本螺旋状に巻き、同心円状に配置したリード。最近のリードはほとんどこの型をとっている。

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導体〔conductor〕
電気抵抗が少なく、電気を良く伝導する物質。多くの金属および人体は導体である。

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ナ行

2腔ペーシング〔dual chamber pacing〕
心房・心室を連続して刺激することのできるペーシング様式。健康な状態では心房と心室が同期しており、人工ペーシングにおいても、房室伝導の周期性を保ち、 心房・心室同期を得、心房キックを有効に利用しようとするもの。

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2度房室ブロック〔2nd degree A-V block〕
心房からの刺激が心室に伝わったり、伝わらなかったりするもの。
MobitzⅠ型( Wenckebath型 )とMobitzⅡ型に分けられる。

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ねじ込み式リード〔screw-in lead〕
リードの遠位端にコルク栓抜き様のスクリューが付いており、これを心筋内にねじ込むことにより、能動的に固定されるリード。

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能動的固定〔active fixation〕
心筋組織内に埋め込まれる特別な装置により、心内膜、もしくは心外膜にリードの遠位端を能動的に固定すること。スクリュー・イン・タイプはその代表。

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能動的固定リード〔active fixation lead〕
リードの先端にスクリュー型、釣針型、フック型、くま手型などの機械的装置の付いたペーシング・リード。通常受動的固定リードでは固定できない症例や、悪痕組織のため、通常の位置にリードを設置できず、特別な位置に固定する必要のある患者が適応となる。

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ハ行

バースト持続時間〔burst duration〕
抗頻拍人工ペースメーカが、頻拍を感知して発するバーストの持続時間。

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バースト・レート〔burst rate〕
抗頻拍人工ペースメーカが頻拍を感知したとき、これを停止させるため、プログラムされたペーシング・レートのこと。通常、オーバードライブ・ペーシングを行う。

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パルス〔pulse〕
人工ペースメーカから出される電気刺激。

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パルス発生器〔pulse generator〕
パルス発生器は電子回路と電池とからなる。最近のパルス発生器は金属のカプセルで密封されており、外部からの干渉から電子回路を守っている。一般にはジェネレーターとよばれている。

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パルス幅〔pulse width〕
パルスの幅。通電時間で通常m秒で表わす。

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パルスレート〔pulse rate〕
ペースメーカの出す、1分間のパルス数。ペーシング・レートと同義語。

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反応様式〔mode〕
プリセットあるいはプログラムされた様式。たとえば、ペーシングや感知、抑制や同期など。

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ピール・アウェイ・シース〔peel-away sheath〕
電極付きカテーテルや植込み型リードを穿刺法で静脈内に挿入する際、シースを取り去る必要がある。
そのために、シースに縦に2条の細い溝が付けてあり、リード挿入後は、これに沿って長軸方向に2つに分割できるようになったシース。

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ヒス束〔His bundle〕
心臓内刺激伝導系の一部で、房室結節から左右の脚に分かれるまでの部分。

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ヒス束心電図〔His bundle electrogram〕
心内心電図で、電極付きカテーテルを三尖弁付着部付近にもっていったときに捕らえることのできるヒス束の電位。

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ヒステレシス〔hysteresis〕
自己心拍を人工ペースメーカが感知した場合、次のペーシング間隔を延長することにより、自己心拍と人工ペースメーカの競合をさけ、自己心拍を優先する機構。

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ブーツ〔boot〕
ジェネレーターがポケット周囲の筋肉を刺激するのを防止するため、あるいは筋電位の混入を最小限に押さえるため、植込み時にジェネレーターの上にかぶせるシリコン製のカバー。

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不応期〔refractory period〕
人工ペスメーカーが全くペーシングも感知もしない時期。ペーシングの残存電位やT波を感知するのを防ぐための機構。通常、m秒で表わす。

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副伝導路〔accessory pathway〕
正常の伝導路以外の、余分な伝導路。副伝導路からの伝導は、正常伝導路からの刺激伝導と干渉し、心筋の早期興奮を起こすことがある。
Kent束やMaheim束の副伝導路は順行性もしくは逆行性に刺激が伝導され、しばしばエントリー性不整脈の原因となる。

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フランジ〔flange〕
心内膜リードの先端の形状の1種で、円錐形をしており、受動的に心臓の肉柱に楔入するようになっている。

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プログラマー〔programmer〕
すでに体内に植え込まれた人工ペースメーカと交信し、外部から非侵襲的にプログラムを出入力する装置。通常電磁波、あるいは高周波により信号を送受信している。
多くのプログラマーはテレメトリー機能により、現在入力されているプログラムを読み取ることもできる。

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プログラマブル・ペースメーカ〔programma-ble pacemaker〕
外部からプログラマーを用いて、非侵襲的にペーシング・パラメータを変更できるタイプの人工ペースメーカ

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ペーシングシステム解析器 〔pacing system analyzer,PSA〕
人工ペースメーカ植込み時、体外から閾値、リード抵抗、心内電位等を測定する装置。通常、「アナライザー」と呼んでいる。

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ペーシング不全〔pacing failure〕
人工ペースメーカが植え込まれているにもかかわらず、うまくペーシングできない場合を「ペーシング不全pac-ing failure」という。 ペーシング不全にはジェネレーターの故障により、ペースメーカ・スパイクが出ない場合、 断線のためペースメーカから出たパルスが心筋にまで届かない場合、などが考えられるが、これらはまれで、たいていの場合、スパイクは出ているが、 電極―心筋間でブロックが起こる、いわゆる進出ブロック(exit block)である。これは一般にペーシングミスと呼ばれている。 体外式ペースメーカを装着している患者におけるペーシング不全の大部分は、心室内での電極付きカテーテルの移動(フローティング)によるものである。永久的ペースメーカ植込み患者で、急性期にまれにペーシング不全が起こることがあるが、慢性期にペーシング不全を起こすことは極めてまれである。

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ペーシング様式〔pacing mode〕
人工ペースメーカが調律を提供する方法。ICHDコードにより、ペーシング部位、感知部位、反応様式、プログラム機能、頻拍停止機能の5文字で表わされる。
日常的には、ICHDコードの最初の3文字でペーシングモードを表わしている。

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ペース制限〔pace limit〕
人工ペースメーカの誤動作による、極端に高頻度の刺激が生じること(runaway pacemaker)を防止するために設計されている機構。

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ペースメーカ依存〔pacemaker dependent〕
自己心拍が全く出ないか、極めてまれにしか出現せず、心臓が適当に調律されるためには、永久的に人工ペースメーカが必要とされる状態。

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ペースメーカ音〔pacemaker sounds〕
人工ペースメーカ植込みに由来するさまざまな過剰心音。ほとんどのペースメーカ音は不適切な位置へ電極を留置することによるといわれる。ペースメーカ音はペーシング・スパイクの6~8m秒後に聴取される。

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ペースメーカ介在性頻拍〔pacemaker-mediat-ed tachycardia〕
2腔ペーシングを行っている患者で発生するペーシングによる頻拍症。逆行性に心房に伝導された心室刺激によって開始され、維持される。endless-loop tachycardiaとも呼ばれる。

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ペースメーカ症候群〔pacemaker syndrome〕
心房・心室同期がなくなることにより生じる。血行動態的悪影響の結果生じる自覚症状や調律上の異常を全て包含した概念。 多くは、VVIモードのペーシングで起こり、房室弁が閉じている時期に心房収縮が起こることによるとされている。自覚症状としては、目まい、失神、胸部違和感、息切れなどである。

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ペースメーカ・ポケット〔pacemaker pocket〕
人工ペースメーカ植込み時に作られるジェネレーター埋設用の皮下の空洞。

back

ペースメーカ・モニター〔pacemaker monitor〕
人工ペースメーカ 自体が持っている、ある一定時間内に心臓に生じた事象をモニター記録できる機構。このデータはテレメトリー機構によって読み出すことができる。 ペースメーカ・モニターによって得ることのできる情報は、平均ペーシング・レート、ペーシングされた心拍数、感知された心拍数、 心室性期外収縮の総数等である。

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ペースメーカ性誘発性頻拍〔pacemaker-induced tachycardia〕
単腔ペーシング、あるいは2腔ペーシングを行っている患者に発生する急速なペーシング調律。 まれな合併症だが、固定レート型ペースメーカに多いといわれている。

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房室結節〔atrio-ventricular node〕
心房中隔の基部にある刺激伝導系の一部。洞結節がその活動を停止した場合、房室結節が第2次中枢となり、毎分40~50拍のペースメーカとして働く場合が多い。

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房室接合部〔atrioventricular junction〕
心房から心室へ刺激が伝導する部分。房室結節とほぼ同義語として用いられている。

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補助モード〔backup mode〕
人工ペースメーカが除細動や電位メスで障害を受け、部分的機能異常を生じた場合、自動的に作動するペーシング様式のこと。 補助ペーシングは非同期型心室ペーシングで、心室捕捉を確保するため高い出力が出るようにされている。

back

補正洞結節機能回復時間〔corrected sinus node recovery time,CSRT〕
洞結節の機能障害の程度を知ることのできる指標。洞結節機能回復時間はその患者本来の心拍数と深い関係を持っており、洞結節機能回復時間に本来の心拍数の与える影響を取り去ったもの。洞結節機能回復時間から本来のRR間隔を除したもの。

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捕捉〔capture〕
人工ペースメーカから出された電気刺激に心房筋あるいは心室筋が反応して収縮すること。

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▲TOP

マ行

マグネット・モード〔magnet mode〕
磁石がペースメーカの上に置かれたとき、自動的にペースメーカのとるモード。 通常、磁石がペースメーカの上に置かれている間は、固定レート・モードになる。 マグネット・モードは電池の状態のチェックの時用いられる。

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マグネット・レート〔magnet rate〕
磁石がペースメーカの上に置かれたときの、ペースメーカの出力パルスのレート。 一般に電池の状態や、ジェネレーターの寿命、植え替え時期の判定に用いられる。

back

慢性期閾値〔chronic threshold〕
人工ペースメーカ植込み後、早期の生体反応ののち、慢性期になって心筋を脱分極するのに必要な最小の電力。 慢性期閾値とは、持続的に、継続的に心筋を脱分極させる最小の電力で、通常、急性閾値より低値であることが特徴である。

back

密閉シール〔hermetic seal〕
人工ペースメーカで電子回路内への体液の侵入を防いだり、内容物の溶出を防ぐ目的で行われる耐水性シール。
以前は、密閉シールにエポキシ樹脂が使われていたが、最近ではほとんど金属製のケースが使われている。

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▲TOP

ヤ行

融合心拍〔fusion beat〕
1つの心臓が複数のペースメーカにより刺激を受ける場合、別々の方向からの2つの歩調取りがほぼ同時に刺激を発し、心筋の興奮波が心臓の中で融合したとき見られる心拍。ペースメーカを植え込んでいる患者の場合、自己心拍と同時に人工ペースメーカがスパイクを発したときに見られる。

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有孔電極〔porous electrode〕
リードの遠位端の電極が、多孔性の金属でできているもの。電極内に組織が成長し、リードの電気的特性および長期的安定性が得られる。

back

陽極〔anode〕
単極心内膜ペーシングではジェネレーター表面が陽極となる。双極心内膜ペーシングでは、陽極はリードの遠位端より2~3cm近位部のリング部である。

back

陽極バンド〔anodal band〕
心内膜リードの近位部のリング。

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ラ行

リード〔lead〕
電極付きカテーテルのことで、単極のものと双極のものや、一時的な使用目的のものと、永久的使用を目的とするものまで種々の種類がある。

back

レート反応型ペーシング〔rate responsive pacing〕   
もともと患者の心房レートに応じて心室ペーシング・ レートが自動的に変化するものをいっていたが、最近ではもっぱら加速度、呼吸数、分時換気量、体温、血液酸素濃度、心電図変化、血圧の変化率等を感知して、ペーシング・レートを変化させることのできるペーシング様式。

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▲TOP

AAI
心房抑制型心房ペーシング。自己心拍のP波が出ないときのみ、心房ペーシングを行うもの。

back

alert period
感応期。

back

antitachycardia pacemaker
抗頻拍人工ペースメーカ。

back

AOO
心房非同期型心房ペーシング。あるいは心房固定レート型ペーシング。
自己のP波の出現の有無にかかわらず、固定レートで心房をペーシングするもの。

back

Artifact
人工産物。心電図に外部から混入した信号。

back

Atrial J lead
心房用Jリード。

back

atrial kick
心房キック。

back

atrial-synchronized pacing
心房同期ペーシング。心室デマンド型とも呼ばれる。

back

automatic antitachycardia pacing
自動抗頻拍ペーシング。

back

automatic implantable cardioverter-defibrillator
自動植込み型助細動器。AICDと略される。

back

automaticity
自動能。

back

atrio-ventricular delay
房室遅延。A-V delayと略される。

back

atrio-ventricular node
房室結節

back

atrio-ventricular sequential pacing
心房・心室順次ペーシング。

back

▲TOP

B

backup mode
補助モード。

back

beginning of life (BOL)
人工ペースメーカでは植込み時のバッテリーの電位と充電量。

back

biocompatibility
生体適性。BOL beginning of life の略。

back

boot
ブーツ

back

bradyardia-tachycardia syndrome
除脈頻脈症候群。

back

burst duration
バースト持続時間

back

burst rate
バースト・レート

back

▲TOP

C

capture
捕捉。

back

cardiac output (CO)
心拍出量。l/分で表わす。

back

cell impedance
電池抵抗。

back

chemical sensing
化学的感知。

back

chronic threshold
慢性期閾値。

back

coaxial lead
同軸リード。

back

competition
競合。

back

complete atrio-ventricular block
完全房室ブロック。3度房室ブロックとも呼ばれる。

back

conductio
伝導。

back

conductor
導体。

back

corrected sinus node recovery time
補正洞結節機能回復時間。

back

cross stimulation
人工ペースメーカのスパイクが送り出された部位以外の心腔が不適切に刺激され脱分極するもの。 たとえば、心室へのスパイクが心房をペーシングする場合をいう。

back

▲TOP

D

DDD
ICHDコードで、心房電極、心室電極の双方を通じて、感知およびペーシングを行うもの。一定時間待って自己のP波が出ないときには心房ペーシングを行い、自己のP波を感知した後、あるいは心房ペーシングの後、一定時間しても自己のQRS群が出現しない場合には、心室ペーシングが行われる(T)。自己のQRS群が出現すれば、心室ペーシングは抑制される(I)。このように患者の心房電位、心室電位の有無により種々のモードを自動的に選択、反応することができるので、フルオートマチック型と呼ばれることもある。

back

DOO
非同期型心房心室順次ペーシング。自己のP波やQRS群の有無に関係なく、設定されたレートと房室遅延で、心房・心室を順次ペーシングするモード。

back

defibrillation threshold
除細動閾値。

back

demand pacing
デマンドペーシング。

back

depolarization
脱分極。

back

diaphragmatic stimulation
横隔膜刺激。

back

dislodgement
リードの移動。

back

displacement
リードの移動。

back

dry pocket
単極の人工ペースメーカ植え換えの際に起こることがある。 ジェネレーター表面が空気や緊密な繊維組織などの、比較的乾燥した物質に接することによって起こる。 これらは大きな電気抵抗を示し、間欠的機能不全の原因となる。通常、ポケットを圧迫しておくことで解消するが、 ときには滅菌した生理的食塩水をポケット内に注入する必要がある場合もある。

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▲TOP

E

elective replacement indicator(ERI)
電池交換指標。

back

elective replacement time(ERT)
電池交換時期。

back

electrical interference
電気干渉。

back

electromagnetic interference(EMI)
電磁干渉。

back

electrophysiological studies(EPS)
電気生理学的検査。

back

endocardial lead
心内膜リード 。

back

endocardial pacing
心内膜ペーシング。

back

endocardial screw-in lead
心内膜ねじ込み式リード。

back

end-of-life(EOL)
人工ペースメーカの持つ電気的エネルギーの枯渇が近づき、再植込みが早急に必要な時期。 end-of-lifeが近づいたことは、ほとんどの人工ペースメーカではマグネット・レートの減少で知ることができる。 end-of-lifeの表われ方はメーカーによって異なる。通常ERTが第一次交換指標に、EOLが第二次交換指標となる。  

back

EOL
end-of-lifeの略。

back

EPS
electrophysiological studiesの略。

back

ERI
elective replacement indicator の略。

back

ERT
elective replacement timeの略。 通常これを第一次交換指標と考え、この時点でジェネレーターの入れ替えを行う。 EOLは第二次交換指標と考えられる。 

back

epicardial lead
心外膜リード。

back

epicardial screw-in lead
心外膜ねじ込み式リード。sutureless typeとも呼ばれる。 

back

exit block
進出ブロック。

back

▲TOP

F

flange
フランジ。

back

fusion beat
融合心拍。

back

▲TOP

H

heart block
心ブロック。

back

hermetic seal
密封シール。

back

His bundle
ヒス束。bundle of Hisともいう。

back

His bundle electrogram
ヒス束心電図。

back

H-V interval
H-V間隔。

back

hysteresis
ヒステレシス。

back

▲TOP

I

impedance
電気回路。あるいは電気装置を流れる電流にかかる全抵抗。

back

implantable pulse generator
生体内に植込み可能な刺激発生装置。通常、「ジェネレーター」と略称されている。

back

implantation
植込み術。

back

impulse
刺激のこと。人工ペースメーカでは、ジェネレーターから出される電気刺激をさす。

back

impulse duration
刺激持続時間。Pulse widthとも呼ばれる。

back

insulation
絶縁体。

back

insulation fracture
絶縁体亀裂。

back

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L

latency interval
潜伏期間。刺激の時期から反応の時期までの時間。ペースメーカでは、スパイクとP波、あるいはQRS群までの時間。

back

lead
リード。

back

lead fracture
過度な伸展、折り曲げや、メスや縫合針、縫合糸による物理的なリードの破損。リードの破損はインピーダンスを増大させる。最もよく起こる部位は近位部の静脈に挿入される部分である。

back

lead impedance
リード抵抗。

back

lead introducer
穿刺法ではリードを挿入するためのイントロデューサー・シースセット、通常、鎖骨下静脈が穿刺され、シースは不要になれば取り去れるよう、ピール・アウェイ型になっている。

back

longevity
寿命。ペースメーカの場合、人工ペースメーカが正常に作動し得る期間。

back

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M

magnetic interference
磁気干渉。

back

magnet mode
マグネット・モード。

back

magnet rate
マグネット・レート。

back

mechanical sensing
機械的感知。

back

migration
最初に植え込まれた場所から、ジェネレーターが皮下で移動すること。下方に大きく移動すると、リードが引っ張られ、ペーシング不全、 感知不全の原因になる。この合併症は皮膚が弾力を失った女性、高齢者や肥満者に起こりやすい。

back

mode
反応様式。

back

multifilar lead
2本以上のワイヤーを平行に組んで作ったリード。こうすることにより全体に力を分散できること、 一本のワイヤーが断線しても導通不良は起こらないなどの長所が生まれた。

back

multiprogramable pacemaker
外部から非侵襲的に、3つ以上の複数のプログラムの可能な人工ペースメーカ。 これによって患者の必要に最も適合したプログラムが選択・利用できる。変更可能なプログラムは、房室遅延、モード、出力、極性、レート、 不応期、感度などがある。

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N

noise
雑音。

back

nuclear-power pacemaker
原子力人工ペースメーカ。

back

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O

output
出力。

back

output circuit
出力回路。

back

output current
放電時の電流値。mAで表わす。

back

output voltage
放電時の電圧値。Vで表わす。

back

overdrive suppression
オーバードライブ・サプレッション。

back

oversensing
オーバーセンシング。

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P

pace limit
ペース制限。

back

pacemaker syndrome
ペースメーカ症候群。

back

pacemaker click
ペースメーカを植え込まれた患者に聴取される過剰心音。三尖弁機能不全、三尖弁断裂などによるといわれる。 無症状の患者では臨床的異議はない。

back

pacemaker dependent
ペースメーカ依存。

back

pacemaker-induced tachycardia
ぺースメーカー誘発性頻拍。

back

pacemaker-mediated tachycardia
ペースメーカ介在性頻拍。

back

pacemaker pocket
ペースメーカ・ポケット。

back

pacemaker sounds
ペースメーカ音。

back

pacing mode
ペーシング様式 。

back

pacing system analyzer(PSA)
ペーシングシステム解析器。

back

peel-away sheath
ピール・アウェイ・シース。

back

permanent lead
永久的リード。

back

permanent pacemaker
永久的人工ペースメーカ。

back

pervenous lead
経静脈的リード。心内膜リードと同義語。

back

physiological pacing
生理的ペーシング。

back

polished surface
リードの遠位端の電極が平滑に仕上げてあるもの。
Smooth electrodeとも呼ばれる。

back

porous electrode
有孔電極。

back

programmable pacemaker
プログラマブルペースメーカ。

back

programmer
プログラマー。

back

PSA
pacing system analyzerの略。

back

pseudofracture
透視やX線写真ではリードが屈曲しており、あたかも断線が起こっているかに見えるが、電気的導通は失われていない状態。 多くはリードの回りを結紮して周囲の結合組織と固定することによって起こる。

back

pulse amplitude
信号の大きさ、ピーク値、平均値、有効値、瞬間値などで表示される。 ペーシングにおいては、人工ペースメーカ出力パルスの電位の大きさ、あるいは電流の大きさを表わす。

back

pulse duration
ペースメーカから出されるパルス持続時間の長さ。Pulse widthとも呼ばれる。

back

pulse width
ペースメーカから出されるパルスの通電時間。m秒で表す。

back

pulse generator
パルス発生器。通常、「ジェネレーター」と略称される。

back

P-wave inhibited atrial pacing
心房抑制型心房ペーシング。AAI。

back

P-wave synchronized ventricular pacing
P波同期型心室ペーシング。VAT。

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Q

QT interval sensing
レートレスポンシブ・ペースメーカにおいて、QT間隔を測定し、これによりペーシング・レートを変えるもの。

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R

radiopaque identification letters
ペースメーカのケースに刻印された文字および記号で、これにより製造会社、モデル番号等を胸部X線フィルムで読むことができる。

back

repolarization
再分極。

back

rate
頻度。ペーシング用語としては、1分間に定められた刺激発生頻度を意味する。

back

rate responsive pacing
レート反応型ペーシング。

back

reed switch
ガラスのチューブに封入された2枚の金属片(reed)でできた小さなスイッチ。 人工ペースメーカではリードスイッチが部品として使われており、マグネットを当ててマグネットレートを測定したり、 プログラムの読み取り、書き換えが行える。

back

R on T pattern
心室性期外収縮が先行する心拍のT波に重なること。T波の頂上付近は「受攻期」と呼ばれ、 電気的に不安定な時期であり、ここを刺激することは心室性頻拍症、心室細動など重篤な不整脈の原因となる。 ペーシングの分野では特にな不整となる。 spike on T pattern と呼ばれ、これは人工ペースメーカにマグネットを当てたとき、 自己心拍のある患者に感知機能を持たない人工ペースメーカを植え込んだときにパルスが自己波のT波に当たって生じる。

back

runaway pacemaker
人工ペースメーカの故障により、 ペーシング・レートが著しく速くなること。 古い型の人工ペースメーカでは生じたが、新しいモデルでは、pace limit機構が備わっており、これを防いでいる。

back

R-wave inhibited ventricular pacing
R波 抑制型心室ペーシング。VVI。

back

R-wave triggered ventricular pacing
R波 同期型心室ペーシング。VVT。

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S

safety margin
安全域。

back

screw-in lead
ねじ込み式リード。

back

self-discharged
自己放電。

back

sensing circuit
感知回路。

back

sensing failure
感知不全。

back

sensing threshold
感知閾値。

back

sensitivity
感度。

back

sick sinus syndrome(SSS)
洞機能不全症候群。

back

single chamber pacing
単腔ペーシング。

back

single-pass lead
1本のリードに心房用電極と心室用電極の両者を有するリード。心房用電極は心房内に位置し、自己P波を感知するのみである。 心室用電極は心室内に固定され、感知およびペーシングが可能である。

back

sino-atrial node recovery time(SRT)
洞房結節機能回復時間 。洞結節機能回復時間と同義語。

back

sinus node recovery time(SRT)
洞結節機能回復時間。

back

SRT
sinus node recovery timeの略。

back

spike on T pattern
R on T pattern項参照。

back

split-sheath lead introducer
リードのイントロデューサーで、静脈内にリードを挿入してしまった後、長軸にそって2分割して、 除去可能なイントロデューサー。

back

peel-away
sheathと同義語。

back

SSI
最初と2番目の文字Sはsingle chamberのSで、心室か心房のどちらか1方を意味する。 Iは抑制(inhibition)の意味である。すなわち、この型の人工ペースメーカはVVIまたはAAIとして使用できることを示している。

back

SSS
sick sinus syndromeの略。

back

SST
最初と2番目のSはsingle chamberのSで、心室か心房のどちらか1方を意味する。  自己心拍を感知すると、人工ペースメーカからパルスが放出される。

back

Stokes-Adams syndrome
ストークス・アダムス症候群。

back

stylet
スタイレット。

back

sutureless lead
心外膜リードで縫合をすることなく固定し得るリード。通常、コルク栓抜き様のスクリューが心筋内にねじ込まれて固定される。

back

suture sleeve
シリコンあるいはポリウレタンでできたシースで、リードを周囲の結合繊に縫着するとき、力を分散し、リード被膜を保護するもの。

back

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T

telemetry system
テレメトリー機構。

back

temperature sensing
温度感知。

back

temporary lead
一時的リード。

back

temporary pacemaker
一時的ペースメーカ。

back

temporary pacing
一時的ペーシング。

back

threshold
閾値。

back

tine
リードの受動的固定装置の1つ。シリコンあるいはポリウレタンの突起物がリードの遠位端から後方に向かって突出し、 心臓内の肉柱に引っ掛かり、リードの心内膜からの離脱の可能性を減少している。

back

titanium 
チタン。

back

total recovery time
総機能回復時間。

back

transvenous lead
経静脈リード。

back

transvenous pacing
経静脈ペーシング。

back

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U

undersensing
アンダーセンシング。

back

unidirectional block
一方向性ブロック。

back

unipolar lead
単極リード。

back

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V

VAT
心房同期心室ペーシング。自己のP波を感知して、P波から一定時間後に心室をペーシングするもの。

back

VDD
心房同期心室抑制型ペーシング。ペーシングは心室でのみ行われ、感知は心房と心室で行われる。反応様式は同期と抑制である。

back

ventricular alert period
心室感応期。

back

ventricular asynchronous pacing mode
心室非同期型ペーシング様式。心室固定レート型VOOとも呼ばれる。

back

ventricular capture
心室捕捉。

back

ventricular-demand pacing mode
心室デマンド方ペーシング・モード。

back

ventricular inhibited ventricular pacing
心室抑制型心室ペーシング。

back

ventricular lead
心室リード。

back

ventricular pacing
心室ペーシング。

back

ventricular triggered ventricular pacing mode
心室トリガー型心室ペーシング様式。VVT。

back

ventriculo-atrial conduction
室房伝導。

back

VOO
センシング機能はないので、自己心室波の出現には関係なく、一定間隔で心室を刺激し続ける固定レート型心室ペーシング。

back

vulnerable period
受攻期VVI心室抑制型心室ペーシング。 自己心拍のQRS群が出ないときにのみ心室ペーシングをするもの。現在、心室デマンド型ペースメーカの多はこのタイプである。

back

VVT
心室トリガー型の心室ペーシング・モード。 自己心拍のQRS群を感知すると、自己心拍のQRS群の中に刺激を放電し、踏みかえを行うもの。 電力を無駄に消費することと、ノイズを誤認したときに危険な頻拍性不整脈を起こし得るので、最近ではもっぱらVVIが用いられる。

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W

Wendesky effect
ウェンデスキー効果。

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